【亜州ビジネス編集部】
商務省が23日発表した2021年3月の輸出額は、前年同月比8.5%増の242億2250万米ドルだった。2カ月ぶりに増加し、過去最高額を更新。
ピックアップトラックの輸出額が2.2倍に急拡大するなど、自動車・部品が好調だった。
全体の輸入額は14.1%増の235億1160万米ドルとなり、過去3番目の大きさ。貿易収支は7億1080万米ドルの黒字だった。
輸出額の内訳は、全体の8割を占める主要工業製品が8.5%増、2割弱の農産物・加工品が6.5%増など。価格変動の大きい金、石油と武器を除く輸出額は12.0%増だった。
工業製品では主力の自動車が43.1%増え、うちピックアップの輸出額は10億米ドルを突破。
乗用車は14.0%増の9億7000万米ドルで、共に2カ月ぶりのプラスとなった。
自動車以外ではゴム製品が1.5倍に急伸。タイヤやゴム手袋の需要増を受け、農産物・加工品に含まれる天然ゴムの輸出額は倍増している。プラスチックはインドやインドネシア、ベトナム向けが伸びた。
主要国への輸出では、中国向けと欧州連合(EU)向けが3割を超える増加。
中国向けはキャッサバや天然ゴム、欧州向けはコンピューター・部品や自動車・部品がけん引した。最大の米国向けも7.2%増と好調を維持。日本向けは4.6%と5カ月連続のプラスで、自動車・部品や天然ゴムの伸びが大きかった。
輸入額は、前月に続き原材料・半製品と消費財が2割を超えるプラス。原材料・半製品では鉄鋼・鉄鋼製品が3割超の増加だったほか、銅が7割増となるなど値上がりが続く非鉄金属の伸びが目立った。
1〜3月の累計は、輸出額が前年同期比2.3%増の641億4800万米ドル、輸入額が9.4%増の636億3240万米ドル、貿易収支が5億1570万米ドルの黒字だった。同省は21年の年間輸出額を前年比で4%引き上げる目標を設定している。20年は6.0%減の2314億6840万米ドルだった。