【亜州ビジネス編集部】
格安航空会社(LCC)タイ・エアアジアの親会社、アジア・アビエーション(AAV)は27日、タイ・エアアジアを株式市場に上場させる再編計画を発表した。
新型コロナウイルス流行の影響で収益が減少していることから、上場による資金調達によって財務基盤の強化と安定化を図る。近く株主に承認を求め、来年2月の上場を目指す。
新型コロナが流行してからこれまで、政府の低利融資や銀行融資を受けずに業務効率化や支出削減などで対応してきた。
ただ、先月下旬以降の第3波の発生で厳しい経営状況が長期化するとみて、再編計画を決定。タイ証券取引所(SET)に上場しているAAVに代わり、タイ・エアアジアが自社で資金を調達できるようにする。上場前には最大で31億5000万バーツの転換社債を発行する計画。現地報道によると、航空業界に携わったことがない新たな国内投資家から出資を受けるとしている。
タイ・エアアジアの2020年の業績は、売上高が前年比61%減の162億3630万バーツ、純損失が86億7300万バーツだった。
新型コロナ流行の影響で、旅客数が57%減の949万人にとどまったことが響いた。特に国際線旅客数が84%減と大きく落ち込んだ。