【亜州ビジネス編集部】
工業省工業経済事務局(OIE)の28日発表によると、2021年3月の鉱工業生産指数(MPI、16年=100)は107.7となり、前年同月比で4.1%上昇した。
米中貿易摩擦や新型コロナウイルス流行の影響などで19年5月以降に落ち込みが続いていたが、23カ月ぶりにプラスを回復。主力の自動車や食品などが指数を伸ばした。
指数の構成比が高い主要10品目では、8品目が上昇。自動車と食品、ベースメタル、電機の伸びが加速し、ゴム・プラスチックなどはプラスに転じた。
1トンピックアップトラックの輸出向け生産の伸びを受け、自動車は2カ月連続のプラス。食品では前年同期に低調だった砂糖が2カ月連続の2桁増を記録した。鉄鋼ではブリキや条鋼が急伸し、電機は電線やキッチン家電が好調だった。
一方、新型コロナの影響で航空燃料の大幅減が続いており、石油製品は3カ月連続で2桁の落ち込み。板ガラスは19年10月以降、マイナスが続いている。
同時に発表された3月の製造業設備稼働率は69.6%と、前年同月比で1.9ポイント上昇。4カ月ぶりに前年同月を上回り、19年3月以来の高水準となった。うち自動車の稼働率は11.3ポイント上昇の82.8%。前年同月は新型コロナ対策の工場停止があって低下していた。