【亜州ビジネス編集部】
フィリピン統計庁(PSA)が7日発表した2021年3月の貿易統計(速報値)によると、輸出額は前年同月比31.6%増の66億8430万米ドルとなり、過去最高額を更新した。増加は3カ月ぶり。前年同月に新型コロナウイルス流行の影響で落ち込んだ反動もあり、電子製品など主要輸出品目の多くが2〜3桁増を記録した。
輸入額は16.6%増の90億9720万米ドル、貿易収支は24億1290万米ドルの赤字だった。
輸出では上位10品目すべてがプラス。全体の5割超を占める電子製品は25.0%増で、主力の半導体などが伸びた。
ほかの品目では、銅鉱とニッケル鉱を中心とする「その他鉱物製品」が価格上昇の追い風を受けて3.0倍に拡大。また、前年同月に急減していた化学品は2.6倍に増えた。
国・地域別の輸出額は、中国向けが72.6%増となり、米国を抜いて最大の輸出先国となった。米国向けは2位に後退したものの34.8%増加。3番目に大きい日本向けは19.5%増だった。
輸入では、最大の電子製品が19.0%増加。また、国内製油所が閉鎖される中、原油の輸入がゼロになる一方、石油製品の輸入が急増した。国別では全体の4分の1を占め最大の中国からの輸入が33.0%増。2番目に大きい日本からは18.0%増だった。
1〜3月の累計は、輸出額が前年同期比7.6%増の175億5610万米ドル、輸入額が3.2%増の255億5730万米ドル、貿易収支が80億120万米ドルの赤字だった。