【亜州ビジネス編集部】
国家経済社会開発委員会(NESDC)が17日発表した2021年第1四半期の実質国内総生産(GDP)は、前年同期比で2.6%減だった。前四半期の4.2%から下げ幅が縮小。民間投資や物品輸出がプラスに転じ、製造業の回復が見られた。
一方、新型コロナウイルスの感染が再拡大する中、個人消費が再びマイナスに転落。主要産業である観光業の戻りも遅く、同委員会は21年通期の成長率予測をプラス1.5〜2.5%に引き下げた。
GDPを支出面から見ると、民間投資(3.0%増)が5四半期ぶりのプラスを記録。世界経済の回復に伴い、電気機械や医療機器への投資が伸びた。
また、政府投資(19.6%増)が前年同期に低迷した反動もあって急伸。国営企業による送電や石油開発などの大型事業があった。
物品輸出(3.2%増)はエアコンなど家電が好調だったほか、自動車・部品なども伸びた。
一方、観光業の不振でサービス輸出(63.5%減)が引き続き大きく減少。
また、12月下旬以降の新型コロナ再拡大で労働市況が悪化しており、個人消費(0.5%減)は2四半期ぶりのマイナスとなった。衣類など半耐久財の落ち込みが顕著だった。
GDPを生産面から見ると、製造業(0.7%増)が19年第2四半期以来のプラスに転換。外需のけん引で電気・電子や自動車、機械などが伸びている。
また、政府投資の急拡大を受け、建設(12.7%増)もプラスに転じた。
一方、観光業の不振が続く中、宿泊・食品サービス(35.0%減)や運輸・倉庫(17.7%減)は低調に推移している。
今回の結果を踏まえ、同委員会は21年通期の成長率予測を1.5〜2.5%に下方修正。
2月時点で2.5〜3.5%と予測していたが、新型コロナの再拡大を警戒して個人消費の予測を引き下げた。一方、世界経済の回復が見込めることから、民間投資や物品輸出の予測は上方修正した。