【亜州ビジネス編集部】
英調査会社IHSマークイットが2日発表した東南アジア諸国連合(ASEAN)の2021年5月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は51.8となり、前月から0.1ポイント低下した。指数の低下は3カ月ぶり。
ただ、景気拡大と悪化の分かれ目である50を3カ月連続で上回った。新型コロナウイルスの感染が拡大しているタイなど3カ国で指数が低下する一方、一時に比べ感染状況が落ち着いているインドネシアでは過去最高値を更新した。
全体では生産高や新規受注が依然として高水準にあり、購買活動も活発だった。ただ、サプライチェーンの停滞の影響で在庫の指数が急速に低下している。マークイットは今回の結果について、「東南アジアの製造業は成長ペースがやや鈍化したものの、全体的には力強さを保っている」と指摘した。
国別では、1日の新型コロナ新規感染数が足元で増えているタイ、ベトナム、マレーシアで指数が低下した。タイでは消費減退への懸念から指数が再び50以下に転落。ベトナムでは新規受注や生産高などの拡大ペースが減速し、マレーシアは新規受注が伸びているものの、生産高が低調だった。
一方、インドネシアの指数は55.3に上昇し、11年4月の調査開始後の最高値を3カ月連続で更新。新規受注や生産高などが過去最高となり、雇用は15カ月ぶりに50を超えた。また、インドネシアと同様に新規感染が減少傾向にあるフィリピンも指数が上向いている。