【亜州ビジネス編集部】
ホーチミン市人民委員会は、建設準備を進める同市都市鉄道2号線について、コンサルタントを変更する決定を下した。
ドイツ企業などから成るコンソーシアム(企業連合)と2012年から契約を結んでいたが、更新に向けた交渉が決裂。新たなコンサルタントを模索する。VNエクスプレスが5日付で伝えた。
案件を管理する都市鉄道管理局(MAUR)は12年1月、ドイツ企業3社とスイス企業1社、ベトナム企業1社から成るコンソーシアムとコンサルティング契約を締結。契約額は4400万ユーロ(約58億円)で、ドイツ復興金融公庫(KfW)が無償供与した。ただ契約に含まれない料金が発生するなどし、契約更新に向けた交渉は決裂。コンサルティング業務は18年10月を最後に停止した。MAURは今後、新たなコンサルタントを採用するため入札を開く。
2号線は1区のベンタインから12区のタムルオンを結ぶ11キロメートルの都市鉄道。うち9.2キロメートルが地下鉄で、10駅を設ける。この案件ではKfWとアジア開発銀行(ADB)、欧州投資銀行(EBI)が計37兆ドン(約1760億円)を融資することが決まっており、残りはベトナム側が負担する。建設費の見積もりは10年前の時点で13億米ドルとされたが、建材価格などの上昇を受けて19年末には21億米ドルまで膨らんだ。
ホーチミン市では8路線、総延長220キロメートルの都市鉄道を建設する予定で、建設費は総額250億米ドルと見積もられている。