【亜州ビジネス編集部】
タイ工業連盟(FTI)が8日発表した2021年5月の産業景況感指数(100以上が好感)は82.3となり、前月から2.0ポイント低下した。指数は2カ月連続で低下し、過去11カ月で最低となった。
3月末以降に始まった新型コロナウイルスの第3波が収まっていない上、工場などで集団感染が確認されていることがマイナスに影響した。
スパン会長は指数下落の要因として、下記などを挙げた。
◆新型コロナ関連規制の強化に伴う経済活動の停滞
◆原燃料価格の上昇に伴う生産コストの増加
◆中小企業の資金難
◆輸出用の空コンテナの不足
業種別では自動車や印刷・包装、宝石・宝飾品などで指数が低下した。
一方、セメントや農業機械、エアコンなどは上昇した。
3カ月後見通し指数は92.8となり、前月から1.0ポイント上昇。政府が景気刺激策を継続していることや、新型コロナのワクチン普及に対する期待が強まり、2カ月ぶりに上昇した。
指数は「良い、良くなった」と回答した企業の割合から「悪い、悪くなった」と回答した企業の割合を差し引き、100ポイントを足した値。100を上回れば「好感」とされる。今回の調査対象は製造業1315社。