【亜州ビジネス編集部】
フィリピン統計庁(PSA)が9日発表した2021年4月の貿易統計(速報値)によると、輸出額は前年同月比72.1%増の57億1460万米ドルとなった。増加は2カ月連続。
前年同月は新型コロナウイルスの流行によってルソン島全体で都市封鎖(ロックダウン)が行われており、その反動で大幅増となった。ただ、過去最高を記録した前月からは14.5%減少した。輸入額は140.9%増の84億4890万米ドル。貿易収支は27億3430万米ドルの赤字だった。
輸出では上位10品目すべてがプラス。4桁増が1品目、3桁増が5項目と大幅な伸びが目立った。全体の56.4%を占めた電子製品は62.6%増。電子製品の約75%を占める半導体は40.4%の増加した。伸び幅が最大だったのは「車両、航空機、船舶向け点火ワイヤーセット」で12.4倍。銅鉱とニッケル鉱を中心とする「その他鉱物製品」は前月に続いて3.0倍増となった。「化学品」も2倍増だった。
国・地域別の輸出額は、前月に米国を抜いて最大の輸出先国となった中国向けが80.5%増。2位の米国向けは126.4%増。3位の日本向けも108.4%増と3桁の伸びとなった。
輸入では、約3割を占め最大の電子製品が79.8%増加。上位10品目のうち、電子製品と鉄鋼を除く8品目が3桁の伸びを記録した。国別では全体の4分の1を占め最大の中国からの輸入が2.8倍増。2番目に大きい日本からも2.1倍増だった。
1〜4月の累計は、輸出額が前年同期比19.0%増の233億6840万米ドル、輸入額が21.9%増の344億6020万米ドル、貿易収支が110億9180万米ドルの赤字だった。