【亜州ビジネス編集部】
三菱商事は16日、タイ政府系の発電会社BCPGなどタイ企業2社と組み、ラオス南部に同国初の風力発電所を建設すると発表した。出力は600メガワット(MW)に上り、陸上の風力発電所としては東南アジア最大級。
三菱商事は開発運営会社に約24%出資する。事業費は総額9億〜10億米ドルの見通し。発電した電力はベトナムに輸出する計画で、ラオスが再生可能エネルギー発電の電力を輸出する初の案件となる。
ベトナムと国境を接するセコン県とアタプー県の標高1000メートル以上の高地で年内に着工。ベトナムまでの送電網を整備した上で2024年にも操業を開始し、国営ベトナム電力グループ(EVN)に25年契約で電力を販売する。ベトナムで水力発電の稼働率が低下する乾期に高稼働となり、同国の電力安定供給に貢献すると見込まれる。
発電所を開発運営するインパクト・エナジー・アジア・デベロップメント(IEAD)には、BCPGが45%出資。残り55%は、三菱商事が43%出資する持ち株会社が保有する。持ち株会社の合弁相手は、タイの再生可能エネルギー発電会社インパクト・エレクトロン・サイアム(IES)のグループ。IESは北海道と広島県で太陽光発電所を運営している。