【亜州ビジネス編集部】
世界の第5世代(5G)移動通信サービス対応スマートフォン市場で、中国メーカーが存在感を増している。
米調査会社のストラテジー・アナリティクスが現地時間16日に発表したリポートによると、5Gスマホの世界シェアは今年第1四半期(1〜3月)に、
OPPO広東移動通信が15.8%で2位、
維沃移動通信(vivo)が14.3%で3位、
小米集団(シャオミ・コーポレーション)が12.2%で5位となった。
順位は前四半期と同じだが、市場シェアはいずれも拡大している。
ストラテジー・アナリティクスによると、世界の5Gスマホ出荷数は1〜3月期に前四半期比6%増の1億3570万台。うちアップルが4040万台で首位を維持した。ただ、その出荷数は前四半期比で23%減少している。市場シェアは前四半期の40.7%から29.8%に10.9ポイント低下した。
一方、2位のOPPOは前四半期比55%増の2150万台、3位のvivoは62%増の1940万台、4位の韓国サムスン電子は79%増の1700万台、5位の小米は41%増の1660万台。いずれも市場全体を大幅に上回る伸びを示した。市場シェアはOPPOが10.9→15.8%(↑4.9ポイント)、vivoが9.4→14.3%(↑4.9ポイント)、サムスンが7.4→12.5%(↑5.1ポイント)、小米が9.2→12.2%(↑3.0ポイント)で推移している。
ストラテジー・アナリティクスによると、vivoの5Gスマホ拠点は中国と欧州。OPPOと小米はいずれも中国での販売が堅調だ。一方、アップルは前四半期に最新「iPhone」がホリデーシーズンのギフトとして人気を集めた反動もあり、大きくシェアを落とした。
各社の動向について、ストラテジー・アナリティクスは「サムスンは5Gスマホで急速に成長しているが、世界最大の5G市場である中国でのプレゼンスが極めて低い」と指摘。これが同社の大きな足かせになっていると分析した。一方で中国メーカーは、収益性の高い米国市場での存在感が薄く、これが収益を伸ばす上での課題になっていると指摘した。
ストラテジー・アナリティクスの予測によると、21年通年の世界5Gスマホ出荷数は6億2400万台に達する見込み。前年の2億6900万台から2倍強に拡大する見通しという。