【亜州ビジネス編集部】
丸紅は21日、日本郵船などが手掛ける船員向けの電子マネー事業に出資参画すると発表した。丸紅が展開している金融や医療、通信などの事業と連携し、船員や家族向けのサービスを拡充する。
日本郵船とフィリピンの物流大手トランスナショナル・ダイバーシファイド・グループの合弁会社、マルコペイに丸紅が出資する。マルコペイは、船員が船上でもスマートフォンのアプリを使って給料の受け取りや買い物の支払い、送金などができるシステムを構築。現状で主に現金で支給されている給与をキャッスレス化することにより、雇用主や船員の利便性を高めている。
丸紅によると、世界の外航船上には約800億円相当の現金が滞留していると推定され、現金の取り扱いでさまざまな手間や費用が発生。また、船員の一大供給国であるフィリピンでは、船員が収入に見合った与信条件で融資を得られないなどの問題もあるという。丸紅はマルコペイを通じて、そういった問題の改善を図る。