【シンガポール】5月のインフレ率2.4%、7年半ぶり高さ

【亜州ビジネス編集部】

シンガポール統計局が23日発表した2021年5月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、前年同月比で2.4%だった。

前月(2.1%)から伸びが加速し、13年11月以来、7年半ぶりの高水準を記録。前年同月に原油価格の下落などで落ち込んだ反動が出た。燃料を含む民間道路輸送(14.5%)と家賃など住居(0.9%)を除くコア指数は0.8%となり、1年9カ月ぶりの高さだった。

民間道路輸送の上昇率は前月を1.6ポイント上回り、13年3月以降で最高。車両燃料(21.1%)の伸びが加速したうえ、バイク(31.1%)と自動車(16.7%)も引き続き2桁の上昇だった。車両燃料と自動車は前年同月に落ち込んだ反動があったが、バイクは19年11月以降、プラスが続いている。

住居は14年6月以降で最も高く、他に電気(マイナス3.4%)は下げ幅が前月から縮小した。一方、食品(1.0%)は食材、調理済み食品とも価格が安定しており、前月から横ばいだった。

シンガポール金融管理局(MAS)と貿易産業省は今後の動向について、原油価格や生産者物価の上昇が主要国で続いているものの、原油の増産が価格を抑制する要因になると指摘。下半期はベース効果が薄れることもあって、インフレが緩和するとの見方を示した。年間の上昇率については、CPI全体の予測を0.5〜1.5%、コア指数を0.0〜1.0%に据え置いた。


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