【亜州ビジネス編集部】
マイクロバスを除く「狭義乗用車」(セダン、MPV、SUV)の月次小売販売は、中国全体で6月に前年同期比で4.8%減少する見通しという。
業界団体の全国乗用車市場信息聯席会(乗聯会)は24日、主要完成車メーカーの6月販売目標を集計したところ、前年実績比で6.8%減少している実態が分かったと報告した。これら主要完成車メーカーの販売台数は、市場全体の79%を占めている。
主要完成車メーカーの週間小売販売は、前年同期比で6月の第1週が2.0%、第2週が18.2%、第3週が4.8%%ずつ減少した。第1〜3週の累計では、9.4%のマイナス成長を余儀なくされている。そのうえで第4週の19.4%減、第5週の2.6%減を予想した。6月全体の新車小売に関しては、4.8%減の158万台に低迷するとみている。
一方、生産は安定が持続し、ハイテク製造業は成長軌道を保った。自動車製品の国内販売と海外輸出は良好に推移しているとの見方。特に新エネルギー自動車(NEV)に関しては、市場が健全に拡大しているという。ただ、中国南部で新型コロナウイルス感染が再び報告された点を懸念。消費に一定のマイナス影響が及ぶとの認識を明らかにした。
車載半導体チップの不足問題にも言及。第3四半期の需給緩和を予想しならも、納車スケジュールが遅延する恐れもあると指摘した。
乗聯会によると、今年5月の狭義乗用車販売は、前年同月比1.0%増の162万3000台に伸びた。8カ月連続でプラス成長を維持したものの、増加率は前月の12.4%から大きく鈍化。新型コロナウイルス禍の反動増効果がほぼ消えた。コロナ流行前の2019年5月との比較では3%増えている。1〜5月の累計では、狭義ベースの小売台数が前年同期比38.1%増の836万4000台。広義ベースでも38.1%増の851万7000台で推移した。
このほか、NEVの乗用車卸売台数は、5月単月ベースで前年同月比174.2%増の19万6000台。前月比では6.7%増加した。種類別では、電気自動車(EV)が前年同月比186.1%増の16万2000台、プラグインハイブリッド車(PHV)が128.5%増の3万4000台。NEVメーカー別卸売台数では、テスラ中国が3万3463台、比亜迪(BYD)が3万2131台、上汽通用五菱が2万7757台、上汽乗用車が1万1049台などに上る。