【亜州ビジネス編集部】
東南アジア諸国連合(ASEAN)各国の自動車業界団体が加盟するアセアン自動車連盟(AAF)の集計によると、2021年5月の域内6カ国の自動車生産台数は前年同月比で3.3倍の26万9966台だった。
前年同月は新型コロナウイルス対策の工場閉鎖などで落ち込んでいたため、反動で大幅増となった。ただ、台数は20年9月以降で最も少なく、前月比では1.7%減少。前月に生産が少なかったタイで増えたものの、インドネシアとマレーシア、ベトナムで2桁のマイナスだった。
域内最大の生産国であるタイの生産台数は、前年同月比で2.5倍に拡大。また、4月は連休があって稼働日が少なかったため、前月比では3割強のプラスとなった。
一方、インドネシアとマレーシアは2カ月連続で前月比マイナス。マレーシア国産車メーカーのプロドゥアは、半導体不足の影響を受けたとしている。4月末から新型コロナ感染が急拡大したベトナムでも前月を下回った。
5月の域内7カ国の新車販売台数は、前年同月比2.3倍、前月比14.8%減の21万1136台。前月比では7カ国のうちフィリピンとミャンマーを除く各国で落ち込んだ。減税効果で3〜4月に復調気味だったインドネシアが再び失速。新型コロナ感染が広がったマレーシアとベトナムも振るわなかった。マレーシアでは6月から新型コロナ対策の活動制限が厳格化されたため、同月の生産販売は低水準だったとみられる。一方、フィリピンの5月の販売は前月比で2割の増加。新型コロナ対策が緩和されたことで、同国では失業率など他の指標も改善している。