【亜州ビジネス編集部】
阪和興業は12日、10%出資するスラウェシ州モロワリの高炉一貫製鉄所がスラブの連続鋳造を開始したと発表した。
これまでの生産品目であるビレット、線材、鉄筋に、新たにスラブが加わったことにより、インドネシア国内外への出荷で競争力強化に期待できるという。
昨年に出資した中国系の徳信鋼鉄が、インドネシア・モロワリ工業団地(IMIP)の製鉄所で先月末にスラブ生産を開始した。同社にはほか、中国鉄鋼メーカーの徳龍鋼鉄グループや、同国のステンレス大手である青山控股集団の傘下企業が出資している。
徳信鋼鉄は昨年3月に第1高炉の稼働を開始した後、国内外にビレットや線材を出荷。今年2月には第2高炉も稼働させており、先月の粗鋼生産量は34万トン、ビレット販売量は30万トンに上った。第2高炉はスラブ用とビレット用の連続鋳造設備を併設しており、スラブの年産能力は200万トンとなっている。
当初は高炉2基で粗鋼年産350万トンを計画していたが、現在はフル稼働が続き、通年で400万トンのレベルに達しているという。来年末の第3高炉稼働時には、年産能力が600万トンに拡大する。