【亜州ビジネス編集部】
東京五輪の開催期間中、中国でスポーツ用品の販売が急増していたことが分かった。
ショート動画アプリ系の電子商取引(Eコマース)プラットフォーム「抖音電商(Douyin Dianshang)」によると、7月21日〜8月8日のスポーツ用品取引額は前年同期比で365%増と急拡大。ブランド別では「鴻星爾克(ERKE)」が最も人気を集め、これに「貴人鳥(Guirenniao)」「李寧(Lining)」「安踏(ANTA)」が続いた。複数メディアが9日伝えた。
スポーツの種目別では、バスケット、水泳、バドミントン、テニス、卓球など五輪の人気競技に関連する商品が好調だった。
また、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィンなど、東京五輪から新規採用されたニッチ種目の関連商品も売り上げが大きく拡大。抖音電商によると、うちスケートボード関連商品の取引額は前年同期比で353%の伸びを示した。なお、新規採用された4競技のうち、中国選手が唯一決勝に進んだのがスケートボードだった。
中国ではここ数年、健康意識の高まりや世界的なスポーツイベントの国内開催などを背景に、国民のスポーツ関連消費が拡大している。京東のデータによると、2020年の1人当たりスポーツ消費は約600人民元(約1万円)となり、前年比で3割増加している。
なお、前出の「鴻星爾克」と「貴人鳥」については、赤字経営の中でも先ごろの河南省水害に多額の支援を行ったことで注目を集め、消費者がネット上で両社製品を購入する動きが広がっている。