【フィリピン】自動車のセーフガードを撤回へ、貿産省が決定

【亜州ビジネス編集部】

政府は輸入乗用車と小型商用車(LCV)に対する緊急輸入制限(セーフガード)措置の導入を中止する。

2月に暫定措置を発動させて追加関税の徴収を開始したが、このほどロペス貿易産業相が措置を停止するための文書に署名した。今後は関税局(BOC)の承認を経て正式な撤回が決まる。9日付マニラブレティンなどが伝えた。

自動車部品業の労働者らが参加するフィリピン金属労働者連盟(PMA)が、輸入車の流入で国内産業が深刻な打撃を受けたと主張し、2019年にセーフガード措置の導入を申請。今年2月に暫定措置として発動され、関税委員会(TC)が正式導入に向けた調査を進めてきた。ただ、同委員会は、「輸入車の急増が国内産業に深刻な影響を与えたという証拠はみられない」とする調査結果を報告。これを受け、貿易産業省は導入見送りの方針を固めた。追加関税は2月以降に担保の形で車両購入者から徴収されていたが、セーフガードの導入撤回が正式に決まれば払い戻される。

国内ではいすゞが19年7月に1トンピックアップトラック「D-MAX」の生産を停止し、ホンダが昨年初めに工場を閉鎖。金属労働者連盟などは、輸入車にシェアを奪われたことが要因と主張していた。


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