【亜州ビジネス編集部】
新型コロナウイルスが猛威を振るう南部では、多くの工場で労働者に「労働」「食事」「宿泊」を敷地内で提供する体制が整い、操業要件である「3つの現場」が満たされた。しかし、それでも感染が拡大している。11日付ベトナムネットが伝えた。
ホーチミン市を含む南部では感染者の急増を受けて、工場を操業する場合、敷地内で「3つの現場」体制を構築するか、「1本の通勤路・2カ所の現場」(企業が用意する車両で労働者が工場と宿泊施設を移動)を確立し、当局から認可を受けることが必要になった。だが、「3つの現場」体制を確保した工場でも、今月3日までに累計285カ所、1931人の感染が確認された。
こうした事態を受けてティエンザン省人民委員会は、「3つの現場」体制の工場の一時操業停止を決定した。これに対し企業からは「操業体制構築のために多額の投資を行い、陽性者も出ていないのに極めて遺憾だ」と強い不満の声が出ている。
商工省工業局は先週、企業経営者らとの状況把握のための会議を開催し、多くの提案を受けた。保健省と提案を共有し、事態の改善につなげると説明している。