【亜州ビジネス編集部】
ジョコ大統領は16日に国会で演説し、2022年度予算案を発表した。同年の国内総生産(GDP)成長率目標を5.0〜5.5%と設定した上で、財政赤字をGDP比4.85%相当の880兆ルピア(約6兆7000億円)に縮小させるとしている。ジャカルタポストが16日付で伝えた。
22年の成長率目標は、財務省予想の5.2〜5.8%より低めに設定。ただジョコ大統領は、レンジ上方の5.5%を達成できるよう努めるとしている。
財政赤字については、新型コロナウイルスの終息とともに、徐々に縮小させていく方針。21年は前年より6.5%多い744兆ルピアの景気刺激策を打ち出したため財政赤字はGDP比5.7%を見込むが、22年は4.85%、23年は3.0%未満に戻すとしている。
大統領は、政府が推し進める構造改革により、投資と輸出がけん引する大幅な経済回復が今後見込めると説明。一方、新型コロナウイルスのデルタ株流行の影響で、21年の成長率予想は従来の4.5〜5.3%から3.7〜4.5%に引き下げたとした。
インドネシア経済改革センターのモハメド・ファイザル氏は、新型コロナの先行きは不確実性が大きく、政府が示す経済目標のレンジは幅が狭すぎると指摘。実際のレンジはもっと広くあるべきで、22年の成長率が政府の示す高水準になる可能性は低いと疑問を呈した。また輸出を経済回復の柱の一つとしているが、中国への輸出が鈍る兆しもあると警鐘を鳴らしている。