【亜州ビジネス編集部】
韓国のサムスン電子は、北部バクニン省にあるスマートフォン工場を拡張する。フォルダブル(折り畳み)スマホの生産能力を47%拡大する計画で、間もなく着工。今年末から来年初めにかけての稼働開始を目指す。韓国経済新聞の報道としてVNエクスプレスが4日付で伝えた。
工場拡張により、現在7本ある折り畳みスマホの生産ラインを10本とし、生産能力を1700万台から2500万台に引き上げる。生産の内訳は、横方向に開くディスプレーを備えた「ギャラクシーZフォールド」シリーズが1000万台、端末を縦に折り畳める「ギャラクシーZフリップ」シリーズが1500万台となる。
サムスンは折り畳みスマホで現在、3代目となる「ギャラクシーZフォールド3」の先行予約を開始。韓国では予約が92万件と、最新の従来型スマホ「ギャラクシーS21」の1.8倍に上っている。
業界関係者は、サムスンの折り畳みスマホの工場稼働率が100%に達しており、需要の高さを考えると能力拡張する以外に選択肢はないと指摘している。
同社はベトナムの外国直接投資(FDI)企業で最大規模。累計投資額は177億米ドルに上り、約11万人を雇用している。昨年の輸出額は560億米ドルだった。
工場は6カ所あり、北部のバクニン省とタイグエン省の拠点は同社が世界に持つスマホ工場で最大規模。自社で世界販売するスマホとタブレット・コンピューターの約半分を製造している。ベトナムでは他にも家電と液晶ディスプレー(LCD)を生産。ハノイには新たな研究開発(R&D)センターを建設中で、来年の開所を予定している。