【亜州ビジネス編集部】
マレーシア中央銀行は9日、定例の金融政策決定会合の結果、翌日物政策金利(OPR)を1.75%に維持する決定を下したと発表した。据え置きは7会合連続。
6月に始まった全国的なロックダウン(都市封鎖)が8月半ばから緩和されたものの、新型コロナウイルスの変異株が出現する現状ではダウンサイドリスクが拭えず、景気刺激に向けて緩和姿勢を維持するとしている。
中銀は世界経済の現況について、新型コロナワクチンの接種が進む先進国を中心に景気が回復していると説明。ただし国によって回復にムラがあり、新型コロナが流行拡大して都市封鎖する地域もある中でダウンサイドリスクは拭えないとした。
マレーシア国内については、6月1日に開始した全土のロックダウンが8月半ばから緩和されたことで、いったんは状況が好転し始めたと指摘。ただ新型コロナの変異株が次々出現する中、国内だけでなく海外でも行動制限の緩和ペースが遅れる可能性もあり、内需や輸出へのダウンサイドリスクは付きまとうとしている。
中銀は昨年、年初から4度にわたり利下げを行い、政策金利を計1.25%引き下げた。その後は据え置いているものの、緩和姿勢を維持している。