【亜州ビジネス編集部】
政府は、今月30日にも新型コロナウイルス対策であるソーシャル・ディスタンス(社会的距離)措置の緩和に踏み切る意向だ。
ファム・ミン・チン首相が25日のオンライン会議で明らかにしたもので、感染がやや収まる中、規制緩和により企業活動の活発化につなげたい考え。ベトナムプラスなどが25日付で伝えた。
首相は、感染リスクの低い地域では今月30日前後に規制を緩和し、経済・社会活動を活発化させると言及。感染者数の減少やワクチン接種者の増加が背景にある。
25日の新規感染者数は9682人と3日連続で1万人を下回った。それまで1週間の感染者数は7万2236人で、前週から9.7%減少。死者数は12.1%減少した。一方、新型コロナワクチンを1回接種した人は2230万人、2度接種した人は730万人となっている。
2021年の国内総生産(GDP)成長率は3.5〜4.0%にとどまるとの見方が有力で、政府目標の6.5%を大きく下回るとみられている。厳格な活動規制を背景に、ベトナムから他国へ生産を移す外国企業も出てきており、政府には、感染状況を抑えつつ経済活動を活発化させる環境の整備が求められている。