【亜州ビジネス編集部】
日本の経済産業省が発表した2021年4〜6月期の海外現地法人調査によると、東南アジア10カ国に進出する日本企業の現地法人の売上高は、前年同期比76.4%増の659億米ドルだった。
増収は2四半期連続。前年同期に新型コロナウイルス流行の影響で大きく落ち込んだ反動で急伸した。域内への設備投資額は2.9%増と、電気機械業のけん引で7四半期ぶりのプラスに転じた。
売上高は前四半期に続き全4業種でプラス成長。輸送機械(127.2%増収)が大きく伸びたほか、汎用機械(48.0%増収)と電気機械(44.4%増収)、化学(43.9%増収)も4割を超える増加だった。仕向け先別では、自国向けの売上高が91.4%増、日本向けが40.4%増、第三国向けが78.4%増だった。
域内主要6カ国の国別では、インドネシアが最も伸びが大きかった。
インドネシア=125.2%増収
フィリピン=90.6%増収
タイ=76.5%増収
マレーシアが48.9%増収
シンガポール=44.9%増収
ベトナム=44.8%増収
東南アジア10カ国への設備投資額では、電気機械(26.0%増)が2桁のプラス。ただ、主力の輸送機器(2.4%減)が引き続き前年割れとなり、全体では低い伸びにとどまった。国別ではベトナム(41.0%減)の落ち込みが大きかった。一方、10カ国の現地法人の従業員数は0.7%増加した。
調査対象は、本社が資本金1億円以上かつ従業員50人以上、海外法人が従業員50人以上などの条件を満たす企業で、東南アジア域外も含む全体で5511社。8月16日の締め切りまでに4191社(76.0%)の回答を得た。