【ベトナム】必需産業がニューノーマルで再開=HCM市

【亜州ビジネス編集部】

ホーチミン市人民委員会は、新型コロナウイルス対策である厳格なソーシャル・ディスタンス(社会的距離)措置のもとで停止していた工場やサービス店の一部再開を条件付きで認める。9月30日発表したもので、同日午後6時から適用。今回は必需品の生産や必需サービスに限られる。ベトナムニュースが同日付で伝えた。

9月30日以降は感染予防対策を柔軟かつ効率的に適用する「ニューノーマル期間」と位置付け、対策を講じた業者に事業再開許可を付与する。再開しても、新型コロナワクチンを1回以上接種または感染後に完全回復した労働者のみ現場入りを認める。

工業団地や輸出加工区、産業集積地に入居する企業は再開が可能となる。入居していない企業でも、食品、石油・ガス、化学製品、電力、水道、原料、農林水産物、部品などの生産・供給を手がける場合は再開が認められる。多くの交通インフラ建設案件も再開。産業用の設備や乗り物の販売・修理・保守などのサービスも再開できるほか、商業施設や卸売市場、スーパーマーケット、コンビニエンスストアなどの再開も認められる。

地場と外資を含めた本社や代表事務所、支店などのオフィス再開も認められる。郵便・通信や報道、電子商取引(EC)、宅配、アパレルや家電などの専門店、倉庫、クリニックなども再開。外食店も再開するが、持ち帰りのみとなる。床屋や美容室は50%以下の入店率で営業できる。

展示会や商談会などは人数制限を設けて開催可能で、屋内では基本的に最大10人、屋外では15人となる。ただし参加者全員が新型コロナワクチンを2回接種するか、感染から完全回復していた場合、屋内では最大70人、屋外では100人での開催が認められる。今回のリストに含まれない業種で再開を希望する企業は市政府に申し出る必要があるが、必需産業以外は引き続きの閉鎖が基本となる。

なお市当局は、1区や7区、フーニュアン区、タンビン区、ゴーバップ区、カンゾー郡、クチ郡、ニャーベー郡で基本的に感染が抑え込まれていると報告。9月30日からは少なくともワクチンを1回接種したか、感染後に回復した人がこうした地域を自由に移動できるようにする。検問ではQRコードとアプリを活用し、免疫の状態を迅速に確認する。一方、市外に単独で移動することは禁じる。

ホーチミン市は4月末から発生している新型コロナ流行第4波による感染が最も深刻で、38万9000人が感染。1万4700人が死亡している。


亜州ビジネスASEAN
https://ashu-aseanstatistics.com/

この記事をSNSでシェア!


一番上へ戻る