【亜州ビジネス編集部】
中国各地で実施されている電力供給制限について、BNPパリバは最新リポートで「2022年春まで続く可能性がある」との見解を示した。
製造業の一部で減産、生産停止が見込まれる中、中国の景気、インフレ、貿易、雇用などにも影響が出るとみている。香港経済日報が7日伝えた。
こうした状況の下、セクター別では石油・天然ガス生産、石炭、再生可能エネルギーなど川上の燃料サプライヤーが恩恵を受けると分析。半面、火力発電所、都市ガス事業者などはコストの増大が見込まれると指摘した。また、鉄鋼、アルミ、セメントなどのエネルギー消費型産業も生産コスト増大、減産などでダメージを受けるとみている。
なお、中国の電力不足については、下記などが背景にあるという。
◆各地方政府が年末に向けて、エネルギー消費抑制目標の達成に懸命になっていること
◆石炭価格の高騰、石炭輸入量の減少により電力供給が縮小していること
◆水力発電量が減少していること
一方で、製造業や輸出が回復するに伴って電力需要は拡大しており、需給バランスが悪化している。