【亜州ビジネス編集部】
市場調査会社のカウンターポイント・リサーチが14日発表したリポートによると、米アップルは現在、世界のスマートフォン市場の利益のうち75%を独占している。
今年第2四半期(4〜6月)のシェアは13%にとどまったものの、売上高ベースで40%、営業利益ベースで75%のシェアを確保した。これはアップルのブランド力の高さを示すもの。ただ、ピーク時の2020年第4四半期(10〜12月)には、売上高シェアが50%、営業利益シェアが86%に達していたことを考えると、低い水準にとどまっている。
一方、アップルに次ぐ2位以下のシェアは、足元で大きく変化した。米政府による制裁措置で、中国の華為技術(ファーウェイ)が苦戦を強いられたことによるものだ。中でも、同じ中国の小米集団(シャオミ・コーポレーション)、OPPO広東移動通信、維沃移動通信(vivo)が台頭しており、今年第2四半期の売上高シェアはアップル、韓国サムスン電子に次ぐ規模となった。
特に小米は、「量から質」への転換を進めている。これまでは出荷数を伸ばすことに注力してきたが、今後は収益性の引き上げに力を入れる構えだ。今年に入って平均単価の高い端末の販売を開始しており、営業利益は19年上半期以来のプラス成長に転じた。
ただ、サムスンの旗艦モデル「Galaxy S21」シリーズと比較して、小米が最近発売したハイエンド機種「Mi 11i」や「Mi 11X Pro」は、性能面で依然として大きな差がある。アップルやサムスンのハイスペック端末を購入している顧客層を相手に、小米を筆頭とする中国メーカーがいかに市場を開拓していくか、今後の動きが注目される。