【タイ】9月の輸出額17%増、7カ月連続でプラス

【亜州ビジネス編集部】

商務省の26日発表によると、2021年9月の輸出額は前年同月比17.1%増の230億3600万米ドルだった。

増加は7カ月連続。農業製品、主要工業製品とも2桁増だったほか、燃料が倍増して全体をけん引した。資源高を背景に輸入額も大幅増が続いており、9月は30.3%増の224億2620万米ドルに拡大。貿易収支は6億980万米ドルの黒字だった。

輸出額は石油製品が2.1倍に増え、全体の3.1%を占めた。一方、8割を占める主要工業製品は15.7%増、2割弱の農産物・加工品は12.1%増と、ともに全体平均を下回る水準。変動の大きい石油、金と武器を除く輸出額は14.8%増だった。

工業製品では主力の車両・部品など多くが2桁増を記録。車両では前月に落ちこんでいた乗用車が2.8%増とプラスを回復した。電子ではハードディスク駆動装置(HDD)の輸出額が4割増え、少なくとも19年1月以降で最高を記録。プラスチックでは、プラスチック粒が21年2月以降に4〜6割増で推移している。

農産物・加工品では、日本で品不足が問題となっている鶏肉の輸出額が22.8%減と、2カ月連続の前年割れ。労働者不足による減産が報じられており、輸出量は18.7%減の6万2373トンに落ちこんだ。輸出額、輸出量とも前月比では2割増だったものの、それ以前との比較では低い水準にとどまっている。

国別の輸出額は、最大の米国向けが2割増、2番目に大きい中国向けが3割増など主要輸出先の多くで2桁のプラス。国別3位の日本向けは13.2%増で、化学品やプラスチック粒、銅などがけん引した。

一方、輸入額は、原油などの燃料が4割増えるなど、各品目とも大きく増加。原材料・半製品では、鉄・鉄鋼製品とアルミニウム・アルミ製品が9割増、銅・銅製品が6割増だった。

1〜9月の累計は、輸出額が前年同期比15.5%増の1999億9770万米ドル、輸入額が30.9%増の1979億8090万米ドル、貿易収支が20億1680万米ドルの黒字だった。国家経済社会開発委員会(NESDC)は8月、21年の輸出額が前年比で16.3%増えるとの予測を発表している。


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