【亜州ビジネス編集部】
デジタル技術を活用した融資を手掛ける新会社のラビットキャッシュは、企業の従業員らを対象とする試験事業を開始したと発表した。インターネットを通じて手続きが完結するオンライン融資を提供。来年第1四半期から一般消費者向けのサービスを開始し、初年度に20億〜30億バーツの供与を目指す。
顧客の購買履歴や職歴などのデータから信用リスクを判断し、貸付枠や金利を設定してローンを提供する。試験事業では、人事業務代行のヒューマニカなどの従業員に、福利厚生ローンを提供。また、香港系の物流会社ケリー・エクスプレス(タイランド)(KEX)のサービスを定期利用するインターネット通販業者に、低金利のローンを供与する。
来年の本格サービス開始後は、新型コロナウイルス流行を背景に資金難に陥っている中小企業をはじめ、金融機関の融資条件を満たさない小規模事業者らをターゲットに事業展開する。
ラビットキャッシュの資本金は8億バーツで、高架鉄道運営のBTSグループ・ホールディングス傘下で乗車券と電子マネーの機能を持つ非接触型決済カード「ラビットカード」事業を手掛けるバンコク・スマートカード・システム(BSS)が77%、イオンフィナンシャルサービスの子会社イオンタナシンサップ(タイランド)が18%、ヒューマニカが5%を出資している。