【亜州ビジネス編集部】
国内最大港であるレムチャバン港の第3期拡張事業で、タイ港湾公団(PAT)は25日、事業の落札を決めたコンソーシアム(企業連合)と「ターミナルF」部分の開発・運営について契約を交わした。企業連合は発電大手のガルフ・エナジー・デベロップメントなど3社で構成され、貨物取扱量400万TEU(20フィートコンテナ換算)のターミナルを設ける。2025年にも一部を商業稼働させる。
同港の第3期拡張は、東部の経済特別区「東部経済回廊(EEC)」の目玉事業として実施される。官民連携(PPP)方式で貨物取扱量を現在の1100万TEUから最終的に1800万TEUに引き上げる計画。今回PPP契約を交わしたターミナルFのほかに、300万TEU規模の「ターミナルE」が開発される。
ターミナルFの投資額は308億7100万バーツ。3社合弁のGPCインターナショナル・ターミナルが35年契約で運営する。同社にはガルフが40%、国営石油PTTと中国の港湾建設大手である中国港湾工程が30%ずつを出資している。
ターミナルFのうち「F1」は23年の着工、25年の運営開始を予定。「F2」は着工が27年、運営開始が29年となる。18年に事業計画が閣議承認された時点では、23年に稼働させる予定だったが、入札を巡る問題などで遅れている。
EECの目玉事業はほか、東部ラヨーン県のウタパオ空港の拡張、同空港とバンコク首都圏の2空港を結ぶ鉄道の建設、マプタプット港の第3期開発などがある。