【亜州ビジネス編集部】
東南アジア諸国連合(ASEAN)各国の自動車業界団体が加盟するアセアン自動車連盟(AAF)の集計によると、2021年10月の域内6カ国の自動車生産台数は、前年同月比11.9%増の33万5312台だった。前月比でも10.3%増となり、台数は4月以降で最多。新型コロナウイルス対策の活動制限が各国で緩和された上、半導体不足の問題が解消に向かったことで7月を底に回復傾向が続いている。
最大の生産国であるタイは前年同月比3.3%増で、3カ月ぶりのプラスに転じた。部品不足の問題が改善し、完成車の輸出が伸びている。ただ、新型コロナ流行や洪水被害で国内消費が低調に推移しており、販売は4カ月連続の前年割れとなった。
前年同期に大幅減が続いていたインドネシアでは、生産・販売とも5割の増加。
活動制限が緩和されたマレーシアは生産・販売とも5カ月ぶりのプラスに転じ、そろって2桁増だった。
一方、7月以降に厳しい活動制限が敷かれたベトナムは、生産が半減し、販売も1割減と振るわなかった。ただ、前月比では生産が72.2%増、販売が120.1%増と回復に向かっている。
フィリピンは生産が前年同月比で増えたものの、販売は3カ月連続で前年同月を割り込んだ。
1〜10月の累計は、生産が前年同期比27.3%増の282万7663台、販売が15.8%増の217万3724台。ともに新型コロナ流行前の19年1〜10月を2割ほど下回る水準にとどまっている。