【亜州ビジネス編集部】
中国の電気自動車(EV)メーカー各社がこのところ、相次いで駆動用バッテリー交換サービスの開始や拡充を発表している。
一般にEVはバッテリーの残量が減れば充電が必要だが、中国ではEVの販売増加に伴って充電設備が不足し、社会問題となってきた。中華工商時報が21日付で伝えた。
連休などで旅行が増える時期にはサービスエリアの充電スポットに長蛇の列ができるようになった。また、充電設備の故障が多く、利用できる場所探しが難しいとの声も大きい。
こうした不便を緩和するため、中国政府は充電施設だけでなく、EVのバッテリー交換が可能な車両と交換ステーションを増やすことを奨励している。
国策に対応し、中国の自動車メーカー大手、重慶長安汽車傘下の長安新能源はこのほど、バッテリー交換事業のモデル施設を開設した。交換にかかる時間はわずか30秒だという。長安新能源はこうした施設を今後5年間で重慶市内に100カ所設ける計画だ。
また吉利科技傘下の楓葉汽車は最近、駆動用バッテリーの交換が可能な初の車種「楓葉80V」を発売した。吉利科技は23年までに中国国内の交換ステーションを1000カ所以上に増やす計画だ。