【亜州ビジネス編集部】
アジア開発銀行(ADB)が行った調査で、ベトナムでは2021年第3四半期に職を失った人の90%が新たな職を探していないことが分かった。東南アジアではインドネシアの60%、マレーシアの40%より大幅に高かった。VNエクスプレスが伝えた。
ベトナム統計総局によると、第3四半期に失職したのは労働力人口の4.4%に当たる180万人で、前年同期から62万人(53%)増加した。今回の調査では、このうち90%が職探しをしていないとしている。ADBはこれらの労働者に直接アプローチできないため、理由は明らかになっていない。
ADBは、長引く新型コロナウイルス流行とソーシャル・ディスタンス(社会的距離)措置で多くの工場が停止し、職を失った労働者が多かったと説明。特に貧困層や準貧困層の多くを占める非正規労働者が影響を受けたとした。また地方から都市部に出稼ぎに出た労働者1000万人は職が安定せず、社会保障や健康保険へのアクセスが乏しいと問題を指摘している。
VNエクスプレスと政府系の民間部門開発委員会が10月に8800人を対象に行った調査では、新型コロナ禍で職を失った人の53%が失業中で、41%が自分に合った仕事を見つけられないでいた。また55%がいつ職探しを始めるか分からないと答えている。