【マレーシア】洪水被害、中小企業や個人を救済

【亜州ビジネス編集部】

イスマイルサブリ・ヤーコブ首相は22日、首都圏などで発生した洪水被害に対する経済支援パッケージを発表した。省庁や政府系金融機関と協力し、経済的打撃を受けた中小零細企業や個人を支援する。国営ベルナマ通信が22日伝えた。

中小零細企業に対しては、政府系金融機関であるテクン・ナショナルが総額3000万リンギ(約8億2000万円)の洪水復興金融スキームを準備。1社当たり1万リンギを上限に、返済猶予期間を12カ月とする無利子融資を行う。

個人向け支援では、1人当たり5000リンギを上限に、政府系貯蓄銀行バンク・シンパナン・ナショナル(BSN)を通して、返済猶予期間を6カ月とする無利子融資を行う。浸水で使えなくなった住宅設備や家具を買い替えるための資金で、BSNは1億リンギの予算を割り当てる。

個人向けではまた、住宅ローンや自動車ローン、クレジットカード、消費者ローンなどの債務再編スキームを打ち出す。最大6カ月の返済期限延長や、毎月の返済額の減額を行う。

政府は先に、被害を受けた世帯に現金1000リンギを支給すると発表。被害の甚大さを受けて、さらに支援を厚くした格好だ。今回の洪水は、マレーシア半島部で18日まで降り続いた大雨によって発生した。クアラルンプールやセランゴール州、パハン州など被害は広範囲に及び、22日の報道では17人が死亡、7万人以上が避難した。工場への打撃も深刻で、日系企業ではパナソニックなどが被害を報告した。


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