【亜州ビジネス編集部】
商務省は、2022年のタイの輸出額が21年見込み比で3〜4%増える見通しを明らかにした。輸出先の景気回復やコンテナ不足の解消、資源高などが輸出額を押し上げると見込む。コメを含む農産物や、巣ごもり関連製品、医療機器、プラスチック粒など原材料の輸出増に期待している。同日付各紙が伝えた。
チュリン副首相兼商務相が官民代表による貿易関連会議の後に明らかにした。21年の輸出額は前年比16%増の2680億米ドルに拡大すると予測。22年については、特に4分野で輸出増に期待できるとし、◆農産物・食品:コメ、果物、砂糖、飼料◆巣ごもり関連製品:コンピューター、家電、ペットフード◆医療機器◆原材料:プラスチック粒、鉄鋼――などを挙げた。
輸出拡大の要因には、世界経済の回復などのほか、デジタル化の進展による電子機器の需要増、新型コロナウイルス感染者の減少、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の発効なども挙げた。また、為替が1米ドル32〜33バーツで推移し、極端なバーツ高にはならないとの見方を示した。
一方、タイ工業連盟(FTI)などの民間団体は、22年の輸出伸び率を3〜5%と予測している。バーツ安や新型コロナ感染抑制などに対する期待が政府より高いとされる。
21年1〜11月の輸出額は前年同期比16.4%増の2462億4320万米ドルだった。