【亜州ビジネス編集部】
東南アジア諸国連合(ASEAN)各国の自動車業界団体が加盟するアセアン自動車連盟(AAF)の集計によると、2021年11月の域内6カ国の自動車生産台数は、前年同月比9.6%増の35万6468台だった。前月比でも6.2%増となり、台数は19年10月以来、2年1カ月ぶりの高水準を記録。新型コロナウイルス対策の活動制限が各国で緩和された上、半導体不足の問題が解消に向かったことで7月を底に回復傾向にある。
前年に低迷していたインドネシアで大幅増が続いており、全体をけん引した。11月の生産台数は11万887台で、新型コロナの影響が顕著に出始めた20年4月以降で最多。前年同月比で53.2%増、前月比で12.8%増だった。11月中旬に自動車展示販売会が開催され、販売台数も大きく増えている。
タイは前年同月比で4.1%減だったものの、前月比では7.3%増加。国内販売で前年割れが続く一方、輸出が伸びている。ベトナムの生産台数も前年割れながら前月比では6割の増加。活動制限の緩和で国内販売が回復しており、販売台数は年初来で最多だった。
一方、マレーシアは前年同月比でプラスだったものの、前月比では1割の減少。販売台数が前月を7.5%下回っており、同国の業界団体は、減税措置の期限延長で購入を先送りする消費者がいたと説明している。フィリピンの生産台数も前月比ではマイナスだった。
1〜11月の累計は、生産が前年同期比25.1%増の318万4462台、販売が15.3%増の246万1119台。ともに新型コロナ流行前の19年1〜11月を2割ほど下回る水準にとどまっている。