【亜州ビジネス編集部】
部品不足による生産停滞を通じ、自動車の販売単価が上昇した実態が報じられた。燃油乗用車を例示すると、足元の小売価格は、前年同期比で約1万人民元(約18万円)ほども上昇。1台当たりの価格は15万6000人民元をやや超える状況という。央視財経が12月28日に伝えた。
今年は自動車製品の値上がりが目立つ。新型コロナウイルス感染症の防疫体制が続くなか、車載半導体チップなど部品の不足問題も深刻化した。需給バランスが崩れたことで、人気モデルを中心に、在庫切れの状況に直面している。
北京市内の4S(自動車販売、部品販売、アフターサービス、情報収集)店舗でも、値上がり傾向が鮮明だ。足元の上乗せ額は、アウディのRS4、RS5で5万〜10万人民元、6、7、8で30万人民元にも上るという。メルセデスベンツの人気モデルでも、上乗せ額が30万人民元に拡大する状況だ。ある品薄モデルでは、店頭指導価格150万人民元のところ、180万人民元(↑20%)で実際に売られているという。
ただ、購入を予定する消費者からは、価格の妥当性に疑問を抱く声が出ている。価格吊り上げ行為に当たるのではないかと不満を訴える市民もいるようだ。