【亜州ビジネス編集部】
ホンリョン・インベストメントバンク・リサーチは、2022年の国内新車販売台数が前年比18.8%増の60万台になるとの予想を発表した。
政府が自動車に対する販売サービス税(SST)の減免措置を半年延長して22年6月末までとしたことで、上半期に販売が伸びるとみている。ニュー・ストレーツ・タイムズが5日付で伝えた。
同リサーチは、上半期は販売が好調になるが、SST減免措置が終わった下半期には低調になると予想。メーカーは下半期に魅力的な新モデルを投入することにより販売を押し上げる必要があるとしている。市場シェアについては、国産車メーカーのプロドゥアとプロトンが首位と2位の座を長期的に維持すると予想した。
同リサーチのアナリスト、ダニエル・ウォン氏は、政策金利の翌日物政策金利(OPR)が1.75%の低水準に維持されており、消費者が自動車ローンを組みやすい状況にあると指摘。経済回復に伴いマレーシア中央銀行が0.25%利上げする可能性はあるが、早くても下半期以降になるとの見方を示した。またリンギ高が見込まれる中で原料コストが抑えられ、消費者に価格メリットが出るとしている。
なおマレーシア政府は電気自動車(EV)普及を後押しする考えで、21年10月に発表した22年度予算案では、EVに対して輸入関税やSST、道路税を免除する方針を示した。多くのメーカーがEV参入に関心を示しているものの、ウォン氏は22〜23年に販売が伸びることは考えにくく、普及には長い時間がかかると述べている。