【亜州ビジネス編集部】
商務省の発表によると、2021年の輸出額は前年比17.1%増の2711億7350万米ドルだった。3年ぶりの増加で、過去最高額を更新。
各国の経済回復や資源高、バーツ安の追い風もあって、商務省が予測した16.0%増を上回った。自動車など各品目が大きく伸びている。輸入額は29.8%増の2676億330万米ドルで、こちらも過去最高を記録。貿易収支は35億7020万米ドルの黒字だった。
輸出額は鉱物製品・燃料が6割増え、全体に占める割合が3.8%に上昇。ほか、8割を占める主要工業製品は16.0%増、2割弱の農産物・加工品は15.7%増だった。変動の大きい石油、金と武器を除く輸出額は19.8%増だった。
工業製品では主力の車両・部品など多くが2桁増を記録した。前年に低迷した車両では、乗用車が3割増、ピックアップトラックが6割増と回復。電子ではハードディスク駆動装置(HDD)やプリント回路基板(PCB)が2割増となり、家電のエアコンや冷凍・冷蔵庫なども軒並み2桁のプラスだった。農産物・加工品では、工場の人手不足で生産が滞った冷凍冷蔵鶏肉・加工品が2.4%減と落ち込んだ一方、キャッサバが5割増、ゴムが6割増と大きく伸びた。コメは輸出量が6.7%増の612万トンとプラスだったものの、価格が1割ほど低下したことで輸出額は8.9%減だった。
国別の輸出額では、主要国向けが軒並み拡大。最大の米国向けは21.5%増、2番目に大きい中国向けは24.8%増、3番目の日本向けは9.5%増などだった。
輸入額は、原油を含む燃料が5割増え、他の分野もそろって2桁の増加。原材料・半製品では、鉄・鉄鋼製品とアルミニウム・アルミ製品が6割増、銅・銅製品が7割増だった。
商務省は22年の輸出額が3.0〜4.0%拡大すると予測。各国の経済回復や、バーツ安、21年に一時不足したコンテナの増加、新型コロナ感染数の減少などが見込めると説明した。