【亜州ビジネス編集部】
2月4日に開幕する北京冬季オリンピックでは関係者の輸送車両として、1000台を超える燃料電池車(FCV)が導入される。これに併せて「FCV水素充填実証ステーション」30カ所余りが稼働する運びだ。
FCVを積極的に活用することで、グリーン五輪を印象付けたい考えだ。大会期間中、組織委員会はエネルギー効率の高いクリーンエネルギー車を最大限に活用し、同使用率は冬季五輪史上最高の85.84%になる見通しという。21世紀経済報道が21日付で伝えた。
北京五輪には北汽福田、宇通客車、中通客車、吉利商用車といった大手メーカーがFCV式バスを提供している。メーカー各社は寒冷地の北方都市で低温運転の要求を満たす動力システムの開発に力を入れた。
水素ステーションは石油グループ大手の中国石油天然気(ペトロチャイナ)が会場エリアでこれまでに4カ所を稼働させた。ほかに中国石油化工(サイノペック)、国家電力投資などが会場周辺の幹線道路に水素ステーションを建設している。
中国は近年、低炭素化戦略の一環としてFCVの普及を目指している。これまでに全国で50カ所以上の都市がFCV普及計画を発表。2025年までに国内のFCV稼働台数は5万4000台以上、水素ステーションは1000カ所余りに拡大する見込みだ。
北京冬季オリンピックは2月4〜20日の日程で北京、延慶、張家口の競技エリアで開催される。パラリンピックは3月4〜13日の10日間を予定する。