【亜州ビジネス編集部】
日本工営は24日、アマタシティー・チョンブリー工業団地で、第5世代(5G)移動通信によるスマートファクトリー化の実証実験にKDDIと共同で着手したと発表した。
海外における5Gのオープン化、仮想化技術の活用、有用性などを検証し、タイをはじめとした東南アジアへの日本のデジタル技術の展開支援や、それを支えるICT(情報通信技術)インフラ整備支援などを推進する。
同工業団地のダイキン工業タイランドの工場内に5G用基地局3台を設置し、「4K360度カメラによる遠隔作業支援」と「カメラ映像・機械作動音声の人工知能(AI)分析・判断」のアプリケーション実証を進める。
「4K360度カメラによる遠隔作業支援」では、カメラからの映像を5Gで遠隔の監視者に送信。現場作業者はウェアラブルカメラを装着し、双方向でコミュニケーションを取りながら作業支援ができる環境を構築する。遠隔の監視者からの補助によって、現場点検者の経験やスキル不足を補える他、新型コロナウイルスの感染リスク軽減や移動コストの削減にも貢献すると見込む。
また、「カメラ映像・機械作動音声の人工知能(AI)分析・判断」では、機械を常時撮影するIPカメラの映像データと機械の動作音をマイクで収集した非圧縮音声データを、5Gネットワーク経由でクラウドサーバーに送信。AIを通じて分析することで、機械の稼働監視や故障予兆を検知し、保守作業の効率化と作業員の負担軽減を目指すと説明した。