【亜州ビジネス編集部】
シンガポール経済開発庁(EDB)が26日発表した2021年12月の鉱工業生産指数(19年=100)は132.3となり、前年同月比で15.6%上昇した。前年同月を上回るのは3カ月連続。
バイオ医療(87.7%上昇)が大きく伸び、主力の電子(2.9%低下)の落ち込みを補った。バイオ医療の急伸は前年同月に低迷した反動が要因となっており、同様の理由で輸送エンジニアリング(40.8%)も高い伸びが続いている。
バイオ医療の指数は159.0と、3月以来の高水準。医薬品(162.3%上昇)がけん引した。ベース効果があったほか、医薬品有効成分の生産増も指数上昇に寄与している。輸送エンジニアリングは航空分野や海洋分野の需要が回復に向かい、前月を上回る伸びを記録。また、半導体装置やプロセス機器の生産増で精密エンジニアリング(13.7%上昇)も2桁の上昇だった。
一方、主力の電子(10.2%上昇)は14カ月ぶりのマイナス。前年同期に生産が伸びていた反動が出た。半導体が14カ月ぶりの前年割れとなり、情報通信機器・消費者電子機器(0.1%低下)もマイナスに転じた。
20年の鉱工業生産指数は121.7で、前年から12.3%上昇。プラス成長は2年連続で、伸び率は前年(7.5%上昇)を上回った。電子(14.5%上昇)の伸びが加速したほか、多くの業種で2桁の上昇だった。