【亜州ビジネス編集部】
東南アジア諸国連合(ASEAN)各国の自動車業界団体が加盟するアセアン自動車連盟(AAF)の集計によると、2021年の域内6カ国の自動車生産台数は、前年比24.3%増の353万8396台だった。前年に新型コロナウイルス流行の影響で激減していた反動があり、大きく伸びた。ただ、世界的な半導体不足や新型コロナ対策の活動制限の影響を受け、年半ばには一部の国で回復ペースが減速。新型コロナ流行前の19年(415万8983台)との比較では、14.9%下回る水準にとどまった。
国別ではマレーシアやベトナムなどで前年を割り込んだ。マレーシアでは活動制限強化で6月に工場が一時閉鎖に追い込まれ、生産が停止。販売店も一時的に休業を強いられたことで、同月は生産台数が276台、販売台数が1921台にとどまった。ベトナムでは、南部を中心に厳格な工場操業規制が敷かれた7月以降に生産台数の2桁減が続いている。販売台数は年末にかけて回復基調にある。
最大の生産国であるタイは、輸出の好調で18.1%増加。ただ、半導体不足が響いており、200万台を超えていた19年を大幅に下回った。国内では新型コロナの感染拡大で消費が低迷しており、新車販売は7月以降に前年割れが続いている。
一方、インドネシアの生産台数は62.6%増と伸び率が高かった。前年に半減した反動があったほか、減税措置の導入で国内販売が好調。輸出も伸びた。販売台数は88万7202台と、19年(103万0126台)の水準までは回復していないものの、タイを上回って2年ぶりに域内トップとなった。
12月単月の域内6カ国の自動車生産台数は前年同月比18.1%増の35万3916台。タイとインドネシアの伸びが全体を押し上げており、インドネシアの生産台数は19年11月以降で最多だった。