【亜州ビジネス編集部】
インドネシア中央統計局は7日、2021年の実質国内総生産(GDP)成長率が前年比で3.69%だったと発表した。
前年は新型コロナウイルス流行の影響で22年ぶりに落ち込んでいたため、プラス成長は2年ぶりとなる。生産額は新型コロナ前の19年も1.55%上回った。資源高を背景に輸出が急伸したほか、個人消費額もコロナ前とほぼ同水準まで回復した。
支出別の成長率は全ての分野でプラス。原油や石炭などの価格上昇で輸出(24.04%)と輸入(23.31%)が大きく伸びた。全体の5割超を占める個人消費(2.02%)は2年ぶりのプラスに転換。消費額は、物価変動を除いた実質の金額で19年をやや下回ったものの、名目では上回った。
成長率を産業別に見ると、17業種中16業種でプラス成長を達成。情報通信(6.81%)、電気・ガス(5.55%)などの伸びが高く、製造業(3.39%)は2年ぶりのプラスに転じた。一方、公務・防衛・必須社会保障(マイナス0.33%)は唯一のマイナスとなった。
Q4は5.02%成長
第4四半期のGDP成長率は前年同期比で5.02%だった。新型コロナ対策の活動制限が緩和され、前四半期(3.51%)から伸びが加速。支出別では個人消費など大半の分野で前四半期を上回り、特に輸出の伸びが高かった。産業別では17業種中、金融・保険(マイナス2.59%)を除く16業種でプラス。運輸・倉庫(7.93%)や電気・ガス(7.81%)などが大きく伸び、製造業(4.92%)は成長が加速した。
インドネシア中央銀行は、22年のGDP成長率を4.7〜5.5%と予測している。