【亜州ビジネス編集部】
インドネシア中央銀行は10日、定例の金融政策決定会合の結果、政策金利(7日物リバースレポ金利)を3.50%に維持すると発表した。据え置きは12会合連続でアナリスト予想通り。インフレ圧力が高まるものの、経済回復を後押しするため金利を据え置いた。利上げは第3四半期にも議題の載せる意向。
ロイター通信によれば、ペリー・ワルジヨ総裁はオンライン会見で、利上げは中銀のインフレ目標レンジである2.0〜4.0%を上抜けした際に実施する方針を表明。1月の消費者物価指数(CPI)は2.18%と7カ月連続で加速したが、中銀の目標レンジに収まっている。
同総裁は、足元で需要が高まり、インフレ圧力も強まっているが、生産拡大も伴うため2022年のインフレが大幅に上昇することはないと指摘。中銀目標レンジを上抜けする可能性があるのは23年とし、金融引き締めを議題に載せるのは22年第3四半期からになるとした。
インドネシアの21年の実質国内総生産(GDP)成長率は前年比3.69%で、2年ぶりのプラス。第4四半期には5.02%と大幅に回復した。中銀は、新型コロナウイルス変異株「オミクロン株」の感染が拡大しているものの、経済的な下押し圧力は軽微とみて、22年の経済成長率が4.7〜5.5%に加速すると予想。また世界でコロナ感染者が再び増加し、地政学的なリスクや世界的な物価上昇圧力も強まるが、インドネシアのファンダメンタルズ改善により通貨ルピアは安定するとみている。
インドネシア経済は20年、新型コロナ流行を受けて22年ぶりにリセッション(景気後退)入りした。中銀は同年、5度の利下げで政策金利を計1.25%引き下げ、さらに21年2月に0.25%引き下げて過去最低の金利水準とした。その後は金利水準を据え置いている。