【亜州ビジネス編集部】
国内の自動車関連会社では、2021年の業績が終盤に持ち直した。
7月からの厳格なソーシャル・ディスタンス(社会的距離)措置で第3四半期は落ち込んだが、規制が緩和された第4四半期の業績が好調で、通年ではまずまずだった。ベトナムニュースが伝えた。
ベトナム・エンジン農業機械総公社(VEAM)は、21年の売上高が前年比9.6%増の4兆200億ドン(約202億円)、純利益が3.6%増の5兆7900億ドンだった。同社はトヨタやホンダ、米フォードの現地法人に出資し、こうした企業の利益が収支に大きく影響している。
トヨタ車やフォード車の販売を手がけるサイゴン・ジェネラル・サービス(サビコ)は、第3四半期に300億ドンの損失を計上したものの、第4四半期には755億ドンの利益を計上。通年では売上高が前年比12%減の14兆1200億ドン、純利益は6%減の1440億ドンと縮小したものの、第3四半期に大きく落ち込んだことを踏まえると持ち直した。同社は全国にディーラーを50店持ち、トヨタが13店、フォードが15店、韓国・現代自動車が8店などとなっている。
独メルセデス・ベンツ車の小売りを手がけるハンサイン・モーター・サービス(ハサコ)は、21年の売上高が5兆5500億ドンで前年から横ばいだったが、純利益は28%増の1600億ドンに跳ね上がった。ホーチミン市で第4四半期に移動規制が緩和されたことが大きいほか、政府による自動車登録料の減免措置も追い風になった。金利低下で資金効率が上がり、利幅も広がったとしている。
SSIリサーチは、22年の新車需要が前年から16%増大すると予想。新型コロナワクチンが普及したことでロックダウン(都市封鎖)の可能性も低く、とりわけ年後半の販売回復が顕著になるとみている。また国産車ブランドのビンファストが台頭することで消費者の自動車への関心も高まったとしている。