【亜州ビジネス編集部】
2021年の家電小売市場は、中国全体で前年比5.7%増の8811億人民元(約16兆900億円)規模に拡大した。
コロナ流行以前の19年水準にほぼ回帰している。中国電子信息産業発展研究院が3日に発表した「中国家電市場報告」に記された。
三大品目で家電小売額全体の39.4%を占めた。
冷蔵庫が7.2%増の1042億人民元
洗濯機が7.1%増の788億人民元
キッチン家電が5.0%増の1663億人民元
コロナ防疫対策が消費構造を変化させている。家電小売り販売全体に対するインターネット通販比率は、2020〜21日にかけた2年連続で50%を超えた。21年は52.9%に拡大している。品目別のネット通販比率は、テレビ、洗濯機、生活家電などで50%を相次ぎ突破した。なかでも生活家電は8割近くに上っている。
3線都市(地方都市)の家電市場規模は、2775億人民元にまで増大した。全体に占める比率は31.5%にまで高まっている。
従来型家電の小売販売は苦戦を強いられたものの、ハイエンド家電は全体の流れに逆行して売り上げを伸ばした。ゲーム用テレビは販売額7倍超、衣類乾燥機は販売額124%増を記録。若年層の需要を取り込んだ。ハイエンド家電販売額の45%は、「80後」1980年代生まれ)の消費者によってもたらされたという。
20年の中国家電小売市場は、前年比6.5%減の8333億人民元に停滞。ネット通販が好調に推移したものの、実店舗は売り上げが低迷した。ただ、大画面、超高精細、人工知能(AI)技術搭載の4K/8Kテレビ製品などが人気化。大容量、健康、殺菌などをコンセプトとした冷蔵庫・洗濯機製品などの普及も進んだ。