【亜州ビジネス編集部】
商務省が4日発表した2022年2月の消費者物価指数(CPI)上昇率は、前年同月比で5.3%だった。前月(3.2%)から加速し、08年9月以来、13年5カ月ぶりの高水準を記録。
食品の上げ幅が拡大したほか、政府の価格抑制策が終わった電気料金が大きく上昇した。燃料の高騰も続いている。振れ幅の大きいエネルギーと生鮮食品を除くコア指数も上昇が加速し、14年8月以来、7年6カ月ぶりの高さとなる1.8%だった。
品目別では、指数の構成比が高い食品(4.5%)が前月から2.1ポイント上昇。砂糖や卵の上昇幅が加速したほか、コメ(マイナス5.9%)の下げ幅が縮小した。豚の病害で供給が減った生鮮肉類(19.2%)も前月に続く高い伸びで、油脂(19.8%)も2桁上昇が続く。調理済み食品(5.6%)の値上がりも顕著となった。
食品以外では、価格抑制策が終わった電気料金(39.9%)が急伸。また、同様の理由で水道(9.6%)は8カ月ぶりのプラスに転じた。車両用燃料(26.9%)は前月(27.9%)からやや減速したものの、引き続き大きく伸びている。
同省は今後の見通しについて、燃料価格や電気料金の上昇が消費財の値上がりを引き起こすと指摘。また、調理済み食品は前年に低水準だった反動もあって、伸びが加速するとの見方を示した。22年の年間上昇率については、2月初めの時点で1.5%と予測していたが、3月中に見直すと表明。足元で原油高が加速する中、大きく変動する可能性があるとみて修正する。21年の上昇率は1.2%だった。