【亜州ビジネス編集部】
政府は、最低賃金を5月1日から月1500リンギ(約4万2700円)に引き上げる決定を下した。
イスマイルサブリ首相が19日の国会演説で発表したもので、当初は従業員が5人以上の企業に適用する。マレーシアン・リザーブなどが伝えた。
首相は、生活コストの上昇で低所得層の負担が増大しており、賃金底上げが必要と結論付けたと説明した。
ただし、零細企業では適用を先送りし、開始時期などについては、人的資源省や起業家開発省などを交えて協議が行われるとしている。
一方、企業からは反対の声が上がっている。マレーシア国家賃金評議会(NWCC)のフセイン・サイード・フスマン会長は、新型コロナウイルス禍からの影響が拭えない中で、5月から最低賃金が突如25〜36%引き上げられれば企業の負担が大きいと指摘。引き上げは段階的に行われるべきで、各産業や各企業の状況を踏まえて適用時期を変えるべきとしている。