【亜州ビジネス編集部】
タイ中央銀行は3月30日、定例の金融政策決定会合の結果、政策金利(翌日物レポ金利)を0.5%に維持すると発表した。
アナリスト予想通りで、過去最低の金利水準を15会合連続で据え置いた。
インフレ圧力が高まるものの、新型コロナウイルス流行で停滞した経済の回復を下支えする必要があるとして、低金利を維持する決定を下した。一方、物価高が国内経済に打撃を与えるとみて、2022年の国内総生産(GDP)成長率予想を21年12月発表の3.4%から3.2%に引き下げた。
インフレ予想は1.7%から4.9%に上方修正した。
ウクライナ危機に伴う供給サイドの停滞でコモディティー価格が上昇し、これによる物価高が景気回復に影響するとの見方。一方、新型コロナ変異株「オミクロン株」はこれまでの変異株に比べ経済の下押し圧力は限定的で、22〜23年の景気回復基調に変化はないとした。インフレは23年には1.7%に落ち着き、同年のGDP成長率は4.4%に上向くとみている。
ロイター通信によると、商業銀行大手のカシコン銀行で資本市場研究を行うコプシット氏は、年内は金利が据え置かれると予想。外国人観光客が戻り、消費が拡大する中、中銀は景気回復を下支えするため低金利を維持するとみている。
なお中銀は20年の年初から3度の利下げによって政策金利を0.75%引き下げ、過去最低水準としている。